萬徳寺

高野山真言宗の古刹。本尊の木造阿弥陀如来坐像は、重要文化財に指定されている。南北朝時代に安芸円明寺の覚応法印が、この地にあった天台宗極楽寺を正照寺と改め、真言宗を広めた。天文13年（1544年）には祈願所となり、若狭唯一の「駆け込み寺」として知られた。慶長7年（1602年）に寺号を萬徳寺と改め、現在に至る。江戸初期の作庭とされる、山の斜面を利用した「埋石式枯山水庭園」は、国の名勝に指定されている。例年5月から6月にかけてツツジが、11月中旬にはモミジが見頃となり、庭園の白砂とともに鮮やかなコントラストを創り出す。藤原末期の絹本著色不動明王三童子像、鎌倉中期の絹本著色弥勒菩薩像などを所有している。

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