元箱根石仏群

中世の街道「湯坂道」の「箱根越え」で難所とされた、上二子山と駒ヶ岳の鞍部にある「精進池」のほとりに位置する石仏群。この難所を「地獄」として恐れる旅人を救うため、鎌倉時代から室町時代前期にかけて造られた高さ3.5mの「六道地蔵」や、「二十五菩薩」、「応長地蔵」などが残るほか、「八百比丘尼（やおびくに）の墓」や「多田満仲の墓」、仇討ちで知られる「曽我兄弟・虎御前の墓」もある。江戸時代になり「東海道」が整備されると、箱根は湯治客が増加し、観光名所として知られるようになった。温泉案内書「七湯の枝折」（1811年）には、「元箱根石仏群」が箱根山名所の一つとして紹介されている。中世の地蔵信仰を物語る遺物として、国の重要文化財および国の史跡に指定されている。

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