生誕120年 人間国宝 黒田辰秋－木と漆と螺鈿の旅－

木漆工芸家・黒田辰秋の生誕120年を記念する展覧会が、京都国立近代美術館で開催されます。京都を拠点に活躍した黒田は、昭和45年（1970年）に、木工芸の技術において初めてとなる重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定されました。その創作活動は分業制を取らず、図案制作、素地作りから加飾までを一貫して自身で行うことで、実用性と装飾性、素材の特性が一体となり、生命感あふれる作品が生み出されました。古典に根差したその活動は民藝運動と関係づけて語られることが多いものの、黒田はあくまでも自身を「個人作家」として見なしており、作品ひとつが「地球と代えられる」だけの価値を有しているかということを常に問いかけていました。同展覧会では、黒田の初期から晩年までの代表作を通じて、日本工芸史に確かな足跡を残したその生涯と造形思考が紹介されます。

※掲載情報は2024年11月30日現在のものです。内容が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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